
2012年6月、私は北海道に住んでいた。
「住んでいる」と言っても、家はなかった。
わずかな貯蓄を頼りに、北海道のホテルを点々として日々過ごしていたのである。
もちろん、仕事は、していない。
豪華なホームレスになるのが私の夢だった。
少ない貯蓄では数ヶ月間しか夢を見ることができない。
それでも一度やってみたかった。
1日に使われる時間の大半は、iPadと過ごすした。
長編シーズンの海外ドラマを見る。
2chを見る。
アプリのゲームをする。
北海道の都市間を移動し、その町を見ることも好きだった。
そんな風に、
とても豪勢なニートとして6月・7月を過ごしていった。
そして、運命の8月を迎える。
生涯、ニートとして過ごすことになる、運命の2012年8月。