2015-04-28

03)ニートな私と、DQ10


「ドラクエ10は諦める。社畜に戻ろう」


2012年8月 北海道 釧路


ドラクエへ誘導する小さなささやきが、私の中にある。


「毎日やらなくていい」
「エンディングだけ見て終わってもいい」


ドラクエ10やりたい欲求と闘うため、
任天堂の「社長が聞く」や、
藤沢のインタビューなど読んだのが間違いだった。


「エンディングだけ見て終わってもいい」
「じゃあ、少しだけやってみてもいいんじゃない?」


私の中の心の声はどんどん大きくなっていった。
大きくなる声に耐えきれず、ヤマダ電機でWii本体とDQ10セットを購入していた。


もう迷いはなかった。


「エンディングを見たら、ドラクエ10はやめる」


ホテルに住む豪華なニートであり、ホテルの受付をWiiを持って通るのは異様な光景だった。


「もう戻れないかもしれない」
「オンラインゲームは簡単にはやめられない」


そんな心の警告を無視し、テレビにWiiをセットし、電源を入れたのだ。


誰でも知っている、世界で最も危険な組み合わせ
「ニートとオンラインゲーム」誕生の瞬間である。